福田円ゼミナール

リサーチペーパーの制作

リサーチペーパーの執筆

 リサーチペーパーの執筆についても、基本的な考え方はプレゼンテーション制作と同じです。以下のような手順で作業を行っていくとよいと思います。また論文執筆の序盤戦については、情報収集とテーマ設定のページもあわせてご覧ください。

論文を仕上げる際の2大原則は、

 

1.論文を読む立場に立って、自分が伝えたいことを分かりやすく相手に伝えること

 

2.他の文献や資料からの引用やデータと自分の分析を区別すること

 

です。そして、そのためにまず工夫すべきことが、1)論文の構成と2)出典を明記した(注が付いた)文章の書き方であるといえます。以下では、論文の構成について詳しく説明します。出典を明記する際の注の付け方については、表記と注のページをご覧ください。

リサーチペーパーの構成

 通常リサーチペーパーは、大きく分けると0)序論、本論、結論の3つの部分から成り立っています。そして、それぞれの部分は、1)節(項)、2)段落、3)文によって構成されています。論文を書く時は、それぞれのパーツが果たすべき役割を理解し、自分が読み手に伝えたい内容を適切に整理しながら書いていけば、読みやすい論文になると思います。

 また、これらのパーツは何もはじめから順番に仕上げていく必要はありません。新たに分かったことや、自分が論文に書きたいことを自由に文章化していき、それを組み合わせたり、順番を変えたりして、最終的にこのようなかたちになればよいのです。そして、完成したら必ず読み返し、矛盾や不足がある点を修正したり、補足したりしてください。

 

0)序論・本論・結論

・序論(序章/はじめに)

 序論の役割は、読み手をその論文に引きつけることです。また、この部分で論文の全体像が示されていたほうが、読み手はその後に続く本論を理解しやすい場合もあります。そこで、序論には以下のような内容を簡潔にまとめるとよいと思います。

 

・論文テーマの背景となる事柄やその重要性

・筆者の問題意識や仮説

・過去の研究や通説との違い

・研究の方法(活用する資料、フィールドワークやインタビューなども含む)

・論文の構成と予想される結論

 

 なお、序論をはじめに書いてみることは重要ですが、必ず論文が仕上った段階で序論を読み直し、本論や結論の内容と整合性があるかどうかを検討し、書き直す必要があります。そういう意味では、論文執筆のはじめの段階で序論を書く時は、自由に書いておき、後から修正すればよいのです。はじめの段階で、あまり考え込まないようにしてください。

 

・本論(第1節〜第○節)

 本論は、通常いくつかの節によって構成されます。リサーチペーパーのなかで、最も分量が多い部分です。本論では、様々な根拠を提示しながら、結論で示す自分の主張を論理的に説明することが重要です。この部分で皆さんの主張を支える根拠には、次のようなものがあると考えられます。

 

・他者の研究(著書や論文)から学んだこと

・データや統計結果を分析して分かること

・史料(新聞、外交文書、日記、地図、映像など)から読み取れること

・インタビューによって明らかになったこと

・アンケートやフィールドにおける観察など、独自の調査から言えること

 

 これらの材料を引用し、自分なりの説明を加えながら、順序よく議論を進めていくことで、書き手が主張したい内容を読み手に納得させることが、本論の役割です。書き手は、そのための工夫を充分に行う必要があります。

 

・結論(終章/おわりに)

 結論の役割は、本論で展開した議論をまとめ、自分の主張を改めて示すことです。通常は、結論において新たな議論を展開したり、本論で言及しなかった重要な論拠を提示するということはありません。結論において「今後の展望」などを示すこともありますが、それはあくまでも補足的な議論の展開であり、結論の主要な役割は論文全体の議論を振り返り、まとめることだということを忘れないでください。結論の書き方は様々だと思いますが、以下のような内容が含まれることが想定されます。

 

・序論で提示した問題意識や仮説の再提示

・本論で議論した重要なポイントの振り返り

・論証から導き出される主張のまとめ

・その主張に対する反論などを想定した議論

・論文で論じきれなかったことや今後の研究課題

 

1)節(項) 

 節はペーパーのなかで最も大きな「見出し」(目次の項目)です。必要に応じて、その下に項を設けることができます。1本のペーパーでいくつの節を立てるのかは自由ですので、自分が論じたい内容の分量やバランスを考えて、設計してください。各節(項)で論じる内容や分量はある程度レベルを揃える方が、読みやすい論文になるでしょう。また、それぞれの「見出し」はその節(項)の内容全体を短い言葉で簡潔に示してください。

 

2)段落

 それぞれの節(項)のなかで、読み手の読みやすさを考慮して、さらに小さな段落を設ける必要があります。段落とは、文章のなかで改行し、一段下げてまた書きはじめる、幾つかの文の集合体です。皆さんは小学生の頃から国語の授業で、段落ごとに筆者の言いたいこと(要点)をまとめ、それらを集めて文章全体の意味を理解する訓練を続けてきたことと思います。今度は皆さんが文章を書く側ですから、自分が主張したい内容ごとに段落を分ける(話題を変える時に新しい段落を作る)ようにしてください。段落ごとの要点を集めるとその節の要点が理解でき、各節の要点を集めるとその章の要点が理解できるような、分かりやすい文章を書くよう、心がけてください。

 

3)文

 文は句点「。」によって区切られ、論文において意味内容を示す最小の単位です。複数の文が集まって、まとまりのある段落を構成しています。通常、文には主語と述語が含まれていますが、文を書く時には、特に主語と述語が対応しているかどうかに気をつけてください。書いているときは分かりづらいので、書いた後に読み直し、推敲する習慣をつけるとよいと思います。

 ©2013 Madoka Fukuda.