福田円ゼミナール

海外研修の記録

2014年8月 台湾研修

今回は、昨年日台関係について勉強した3年生5名が、日台関係に関するインタビューに挑戦しました。多くの方のご協力のおかげで、非常に充実した合宿になりました。参加学生が寄せてくれた記録と感想(★☆印)をもとに、合宿を振り返ります。

外交部の外観
外交部の外観

外交部・亜東関係協会

郭仲煕亜東関係協会副秘書長から、台湾側の視点から捉えた最近の日台関係に関するお話を伺いました。

★ワーキングホリデー制度やオープンスカイなどにより、日台相互で渡航しやすい環境が整っていること、近年長らく交渉が難航していた日台漁業協定が締結されたことなど具体的な例から、日台での交流が様々な面から深まっている現状を知ることができた。

郭副秘書長を囲んで
郭副秘書長を囲んで

☆日台漁業協定についてのお話もとても興味深かった。日本と台湾は17年にわたって協議を行ってきたが、現在最も大きな摩擦となっている。ニュースでは日本側の譲歩により沖縄の漁業関係者にしわ寄せがきているとの見方が強かったように感じたが、台湾にとっても不利なものであることが理解できた。

佐野村主任によるレクチャー風景
佐野村主任によるレクチャー風景

交流協会台北事務所

佐野村博総務部主任から、日台関係における交流協会の役割を中心としたお話を伺いました。

★国交断絶以後、一般的な大使館の代わりの役割を台湾で果たしているのが交流協会であり、在外公館と変わらない事務を含む業務を行っている。そのような中で、正式な大使館ではないからこそ、様々な省庁や独立行政法人などから出向している職員同士・組織同士がその枠を越えて協力しやすいというメリットがあるというお話が印象的だった。

☆交流協会の廊下や同じ建物の一階に東日本震災時の台湾の人々からのメッセージがたくさん展示されていたことが印象に残っている。とくに壁一面を埋めるほど貼られていた、日本語を勉強している学生がつくったというカードはどれも日本を応援する思いのこもったイラストや日本語で丁寧に仕上げられていて、あたたかい気持ちが伝わってきた。

鈴木支局長を囲んで
鈴木支局長を囲んで

毎日新聞台北支局

鈴木玲子毎日新聞台北支局長から、最近の台湾社会の様子や「ひまわり学生運動」に関するお話を伺いました。

★印象に残っているのは、いま台湾では「リノベーション」が注目されているということ。日本統治時代に建てられて保存されてきた古い建物を、現代にあった施設に生まれ変わらせる。これに関連して、「台湾人の好きなもの」のお話も面白かった。台湾人は「ほっこり」することが好きで、リノベーションして作られたカフェがその雰囲気から人気を集めているそうだ。

台湾料理の夕食もご一緒しました
台湾料理の夕食もご一緒しました

☆私たちと同世代の学生が中心となって起こった「ひまわり運動」については、その経緯や運動を行う学生たちの様子など、実際に取材をされて学生たちともコミュニケーションを取ったからこそわかる貴重なお話をたくさんしていただいた。その中で、それまでの学生運動とは異なり一般市民を巻き込んだということや、日本の学生よりも政治に関心が大きい学生もいるが、そうではない学生も運動に参加していたことなどが特に興味深かった。

郭林碧蓮董事長
郭林碧蓮董事長

坤徳有限公司

郭林碧蓮董事長から、日本統治時代から戦後の台湾におけるご自身の体験について、学生時代のお話を中心に伺いました。

★郭林さんは日本語教育を受けていた世代の方で、日本語でお話を聞いたが、言葉づかいがとてもきれいだった。郭林さんは家族をとても大切にしている方であった。お話のなかでは「ママ」という言葉が多用され、とくに母と子の絆を重視している印象をうけた

郭林董事長を囲んで
郭林董事長を囲んで

☆初めて実際に日本統治時代の台湾を生きた方のお話を聞くことによって、もちろん日本に対して親近感を持って下さっているということも強く感じたが、統治下では日本人が多く通う学校に台湾人が通うといじめられたり、郭林氏が卒業された女学校は台北で一番古いにも関わらず日本人の2つの学校に続いて「台北第三女子高等学校」とされたりしたことなどから、やはり日本は台湾の人を平等に扱ったわけではないという事実を改めて認識することができた。

陳理事長と林総幹事を囲んで
陳理事長と林総幹事を囲んで

蘇澳区漁会(漁業組合)

陳春生理事長と林新川総幹事から、尖閣諸島付近の海域における漁業の状況や日台漁業協定に関するお話を伺いました。

★蘇澳は台湾で最大の漁港であり、尖閣諸島周辺は特に良い漁場で、昔から日本の漁師も台湾の漁師も助け合いながら漁を行っていた。しかし、日本が排他的経済水域を設定したことにより、台湾の船はその水域での操業ができなくなり、網が水域に侵入するなど誤って侵犯してしまった場合には、日本の海上保安庁に拿捕されるという事態になったそうだ。

漁港で名物や珍味もいただきました
漁港で名物や珍味もいただきました

☆蘇澳でお話を聞いて、漁師にとっては政治的な問題よりも生活の場を奪われていることのほうが深刻だと分かった。林さんは「海域が平和で、漁ができるのが一番」と話していた。現場に居る方々の生の声を聞くことで、ニュースで見るだけでは分からない実感が生まれ、見方が変わったように思う。

夜の九份老街
夜の九份老街

九份

すべてのインタビューが終わった後、皆で九份へ行きました。お土産店などはほとんどが閉まった後でしたが、夜の老街もなかなか良かったです。きれいな夜景を眺めつつ、中国茶体験をしました。なかなかハードなインタビューでしたが、皆さんよく頑張りました。

 ©2013 Madoka Fukuda.